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INTRODUCTION
一家の父リーを演じるのは、シャオ・ヤン(肖央)。本作の演技により「2020東京・中国映画週間」第5回 ゴールドクレイン賞/金鶴賞・最優秀主演男優賞を受賞。中国では歌手、俳優、監督、脚本家の顔を持つマルチ・タレントとして広く知られ、『鍵泥棒のメゾット』の中国版リメイクである『人潮汹涌』(未)ではアンディ・ラウとのダブル主演を飾り、近く日本でも公開される大ヒット作『唐人街探偵 東京MISSION』にも出演している。リーの妻アユーを演じるのは、『チィファの手紙』『薬の神じゃない!』のタン・ジュオ(譚卓)。そして、行方不明となった息子スーチャットの後を追うラーウェン警察局長役には『ラストエンペラー』の名女優で中華圏のみならずアメリカ映画でも数々の作品で活躍しているジョアン・チェン(陳冲)。ラーウェンは職権を濫用し、強引かつ冷酷な手段で捜査を進め、リーが仕組んだ完全犯罪を鋭く追及。罪を隠そうとする者、罪を暴こうとする者が、それぞれの愛する我が子のために知力を尽す頭脳戦が、この作品の大きな見どころになっている。その他、香港映画界の名バイプレイヤーで『SHOCK WAVE ショック ウェイブ 爆弾処理班』では香港電影金像奨最優秀助演男優賞を受賞したフィリップ・キョン(姜皓文)と香港映画界が誇るベテラン名俳優のチョン・プイ(秦沛)の助演、そして一家の長女ピンピン役をジョアン・チェンの次女、オードリー・ホイが演じているのも話題だ。
本作は、元々2013年にインドで大ヒットしたマラヤ―ラム語の映画『Drishyam』を、2年後にヒンディー語でリメイクして再び大ヒットとなった『ビジョン』(15/Netflix配信中)のリメイク。監督はマレーシア出身、台湾の大学で映画を学んだ新鋭サム・クァー。長編初監督とは思えない卓越した心理描写と緊張感が途切れることないストーリーテリングは高く評価され、2020年中国年間興収第9位という大ヒットを記録。先に出品された韓国・富川(プチョン)国際ファンタスティック映画祭では観客賞を受賞している。
STORY
東南アジア、タイ。リー・ウェイジエ(李維傑)は、幼き日に中国からこの地に移り住んできた。今は妻のアユー(阿玉)、高校生の娘ピンピン(平平)、まだ幼い娘アンアン(安安)の一家4人で幸せな毎日を送っている。小さなインターネット回線会社を経営しているリーは、信心深く穏やかな人柄で、地域の誰からも好かれていた。『ショーシャンクの空に』が大好きなリーは、暇さえあれば事務所で映画ばかり観ている映画マニアでもあった。
そんなある日、サマーキャンプに出掛けたピンピンが、不良高校生に睡眠薬を飲まされて暴行され、その様子をスマホで撮られてしまう。ネットに動画を上げると脅されたピンピンは、自宅にやってきたその不良、スーチャットからスマホを奪おうと揉み合いになり、誤って彼を殺してしまう。スーチャットは、地区の警察局長の一人息子だった。
出張から帰り、妻からすべてを聞かされたリーは、愛する娘と家族を守るため、完璧なアリバイ作りに着手する。常々「映画を1000本も見れば、世界に分からないことなどない」と考えていたリーは、それまで観てきた膨大な犯罪映画のトリックを応用し、捜査の先の先まで読み尽くした完全犯罪を計画する。警察の事情聴取に備え、妻子に想定尋問を繰り返すリーと家族との「共謀」の先にはしかし、予想もつかない結末が待っていた―。
CAST & STAFF
【リー・ウェイジエ】
シャオ・ヤン(肖央)
Xiao Yang : Li Weije
PROFILE
1980年4月7日、河北省承徳市出身。北京電影学院を卒業後、歌手・俳優・脚本家のワン・タイリー(王太利)と出会い、二人組の歌手「チョップスティック・ブラザース」(筷子兄弟)を結成し、人気を博す。2010年には監督・脚本・主演を務めた短編コメディ『老男孩』(オールド・ボーイ)をインターネットで発表。同名の主題歌も「チョップスティック・ブラザース」が唄った。2015年にはジャッキー・チェン主演『ドラゴン・ブレイド』と「唐人街探案」シリーズ第一弾『僕はチャイナタウンの名探偵』(15)に出演。後者は「2016東京・中国映画週間」で上映された。翌年の主演作『ウーマン・イン・レッド ~スキャンダルな夫~』(16)は、「2017中国映画週間」で上映。シリーズ第2弾『僕はチャイナタウンの名探偵2』(「2018東京・中国映画週間」で上映)に出演後、監督・製作・脚本・主演を務めたVFXコメディ大作『天気預爆』(18/未)を発表。シリーズ第3弾『唐人街探偵 東京MISSION』(21)が日本でも近日劇場公開予定。『鍵泥棒のメソッド』の中国版リメイクである『人潮汹涌』(21/未)ではアンディ・ラウとのダブル主演を飾り、前記主演作『ウーマン・イン・レッド~』の続編が本国で公開待機中。
【ラーウェン警察局長】
ジョアン・チェン(陳冲)
Joan Chen : La Wen
PROFILE
1961年4月26日、上海出身。十代で主演した『戦場の花』(79)で高い評価を得る。二十歳でアメリカに渡り、カリフォルニア州立大学ノースリッジ校で映画を学ぶ。さまざまなTVシリーズや香港舞台の歴史大作『タイパン』(86)に出演後、アカデミー賞・作品賞を受賞した『ラストエンペラー』(87)で皇后婉容を演じ、国際的な注目を集めた。以降、『サルート・オブ・ザ・ジャガー』(90)、TVシリーズ「ツイン・ピークス」(90~91)、『ウェドロック』『抱きしめたいから』(91)、『天と地』(93)、『赤い薔薇 白い薔薇』『沈黙の要塞』(94)、『ジャッジ・ドレッド』『ハンテッド』(95)、『ワイルド・サイド』『アウターゴールド』(96)、『パープルストーム』(99)、『ジャスミンの花開く』(04)、『胡同のひまわり』(05)、『ラスト、コーション』『ホーム・ソング・ストーリーズ〜僕の母の物語〜』(07/未)、『四川のうた』『神の子どもたちはみな踊る』(08)、『小さな村の小さなダンサー』(09)、『1911』(11)、TVシリーズ「マルコ・ポーロ」(14/16)、『AVA/エヴァ』(20)などに出演。監督作に『シュウシュウの季節』(98)、『オータム・イン・ニューヨーク』(00)がある。
【アユー】
タン・ジュオ(譚卓)
Tan Zhuo : A Yu
PROFILE
1983年9月25日、吉林省長春市出身。ロウ・イエ監督『スプリング・フィーバー』(09)で注目を集める。以降、『ミスター・ツリー』(11/第12回<東京フィルメックス>で上映)、TVシリーズ「瓔珞<エイラク> ~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~」(18)、『チィファの手紙』(18)、アンサンブル演技が高く評価された『薬の神じゃない!』(18)、『ブレイブ 大都市焼失』(19/未)などに出演。
【デゥポン議員】
フィリップ・キョン(姜皓文)
Philip Keung : Du Peng
PROFILE
1966年10月26日、香港出身。主要作品に『ワンダーガールズ東方三侠』(93/未)、『ビースト・ストーカー/証人』(08)、『密告・者』『コンシェンス/裏切りの炎』(10)、『奪命金』(11)、『ドラッグ・ウォー 毒戦』(12)、『名探偵ゴッド・アイ』『ファイヤー・ストーム』『激戦 ハート・オブ・ファイト』(13)、『ドラゴン×マッハ!』『ワイルド・シティ』『小さな園の大きな奇跡』(15)、『スカイ・オン・ファイア ~奪われたiPS細胞~』『クレイジー・ナイン』『コール・オブ・ヒーローズ/武勇伝』(16)、『SHOCK WAVE ショック ウェイブ 爆弾処理班』『追龍』(17)、『イップ・マン外伝 マスターZ』(18)などがある。
【食堂の主人ソン】
チョン・プイ(秦沛)
Chun Pui : Song En
PROFILE
1945年生まれ。両親を俳優に持ち、自身も5才から子役として活動。若き日にはハリウッド大作『砲艦サンパブロ』(66)にも出演した。主要作品に『空山霊雨』(79/未)、『風の輝く朝に』(84)、『北京オペラブルース』(86)、『野獣たちの掟』(88/未)、『いつの日かこの愛を』(89)、『ゴッド・ギャンブラー/賭聖外伝』(91)、『ワンダーガールズ東方三侠』(未)『ワンダーガールズ東方三侠2』(未)『裸足のクンフー・ファイター』(未)『風よさらば/天若有情 II』『つきせぬ想い』(93)、『復讐のプレリュード』『フル・スロットル/烈火戦車』(95)、『新宿インシデント』(09)、『桃(タオ)さんのしあわせ』『大魔術師“X”のダブル・トリック』(11)など多数。
監督:サム・クァー(柯汶利)
Director : Sam Quah
1985年8月2日、マレーシア・ペナン出身。本作で長編映画監督としてデビュー。台北国立芸術大学を卒業し、初めて手掛けた短編『自由人』(14/未)は、台湾の第49回金鐘奨10部門でノミネートされ、ミニシリーズ/TV映画部門の作品賞、監督賞、脚本賞、そして音響賞の4部門を受賞。米オレゴン州ユージーン国際映画祭2014では最優秀外国短編賞を、ポーランドのクラクフ映画祭2015では最優秀短編監督賞を受賞し、その手腕は高く評価された。2020年にはシャオ・ヤンも出演したTVシリーズ版「唐人街探案」の4エピソードを監督している。
CREDIT
キャスト
CAST
リー・ウェイジエ(李維傑):シャオ・ヤン(肖央)
Li Weijie:Xiao Yang
アユー(阿玉):タン・ジュオ(譚卓)
A Yu:Tan Zhuo
ピンピン(平平):オードリー・ホイ(許文珊)
Ping Ping:Audrey Hui
ラーウェン警察局長(拉韫):ジョアン・チェン(陳冲)
La Wen:Joan Chen
デゥポン議員(都彭):フィリップ・キョン(姜皓文)
Du Peng:Philip Keung
食堂の主人ソン(颂恩):チョン・プイ(秦沛)
Song En:Chun Pui
スタッフ
STAFF
監督:サム・クァー
Director:Sam Quah
製作:マー・シュエ、リン・チャオヤン
Producer:Ma Xue/Lin Chaoyang
製作総指揮:チェン・スーチェン
Executive Producer:Chen Sicheng
脚本:ヤン・ウェイウェイ、ジャイ・ペイ
Screenwriter:Yang Weiwei/Zhai Pei
撮影:ジャン・イン
Cinematography:Zhang Ying
美術監督:ジャオ・シュエハオ
Art Direction:Zhao Xuehao
衣装デザイン:リー・ミャオ
Costume Designer:Li Miao
編集:タン・ホンジャ
Film Editing:Tang Hongjia
音響:リー・タオ
Sound:Li Tao
Presentation Co.: Fujian Hengye Pictures Co., Ltd
Production Co.: Mongolia Hengye Herdsman Pictures Co., Ltd
原題:誤殺 英語題:SHEEP WITHOUT A SHEPHERD
【2019年/中国/北京語、タイ語/カラー/1×2.38スコープサイズ/5.1ch/上映時間:112分/日本語字幕:神部明世】
© 2019 FUJIAN HENGYE PICTURES CO., LTD, WANDA MEDIA CO., LTD
■配給:インターフィルム/アーク・フィルムズ